2014年04月03日

あゆみ観音さま完成まで 〜視察

2012年8月

陸前高田の松で佛さまを作りたい、制作をお願いできないかと
勢山先生の元にお話が来ました。まだ復興の兆しも見えて
いない中で仏様を制作しても、それどころではないのではないかと
いう思いもあり、勢山先生は地元の方の意見や思いを知りたいと
陸前高田をはじめとする東北の被災地の様子を視察に行かれました。
現地で避難場所にもなったお寺のご住職にお話を伺うと、
(街の際にある高台のお寺で、被災した旧市役所から近い所です)
家族や家を失い、思い返すのも辛く、何も考えられない中で
仏さまに祈るイコール家族の死を受け入れる、という所まで
いけてないのではないか、また、仏さまがいらしても、肝心の
住んでいた人達が仮設住宅に入られ、いつ戻ってこれるかも
わからない状態で、仏さま自身もお守りできるかわからない
のではないかというご意見を伺いました。
 また、床上まで水につかったというあたりの方に伺った
お話では、先に進む為に兎に角動き出そうという気迫が感じ
られました。
 漁師町の民宿では、旦那さんが実際海に出ている時に津波に
遭遇したお話や、その地域では海に近くだったけれど死者を
出さずにすんだこと、昔からの伝承を受け継いでいる地域
であること、運やタイミングもあったことなどをお聞きしました。
つくづく、口伝や石碑で忠告されている事は大事だと思いました。

 その後、勢山先生が制作依頼を受け、観音さまのお姿を
図面上に表す時にイメージの元となったのは、視察してきた
東北の様子や陸前高田の光景。
かつて松が立ち並んでいた跡を見ながら、多くの人に愛されて
育ってきた松たちが、津波により流されて町を心ならずも破壊
してしまう一端を担った悲しさを浄化してあげたい。
という思いや、人だけでなく、動物、植物、数多の命、歴史と
共に歩んできた街姿や歴史などが姿を変え、生まれかわった
という姿を、浜辺に遊ぶ松の精になぞらえ童天女のお姿で
表す事にしました。
 震災の直後に生まれ変わり、菩薩さまが完成した頃が
成長した姿と重なれば。という思いも込められています。

色彩も、希望と願いの祈りをこめた赤系の色を基調に、海の青
松の緑などを入れて彩色されています。

ayumi-canon.jpg
posted by 舞子(勢山社) at 00:22| Comment(0) | 視察
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